fc2ブログ
2009.06.08

INSEADならでは

時々、アプリカントの方などから、他のMBAにはない、INSEADならではのことって何ですか?と聞かれます。

いろいろありますが、私ならば、「Diversity(多様性)が日常になっていること」を挙げると思います。

多様性については、これまでも書いてきたように、1国籍が学年の10%を超えない仕組みになっています。また、ただ単にいろんな国の出身者が集まっているというだけでなく、それぞれのこれまでの経験が本当に様々です。また、とてもオープンなマインドの人が多いので、一般的にはタブーとされるような話やちょっと聞きづらい話(例えば宗教)などに関する疑問や個人的な見解も気軽に聞いてみることができます。先日はイスラエルの友人に国内の情勢について率直に質問できてとても勉強になりました。
言語についても同様です。ちょっとある言語の単語の意味を知りたかったりすれば、その国出身の人、あるいはその言語を話す人に聞いてみればいい。450人の学生それぞれが少なくとも3ヶ国語の知識を持ち合わせているので、たいていの言語は誰か見つかります。

そして、更に素晴らしいと思うのが、この多様性の環境が当たり前になっていること。
レバノン人とイスラエル人が一緒にパーティーで盛り上がっていたり、ギリシャ人とトルコ人が親友だったり。
先日、皆がくつろいでいる中、ポルトガル人のMが読んでいた雑誌の記事から顔をあげて、ギリシャ人のCに「なんでギリシャの軍事費はこんなに多いんだ?」と聞いたところ、隣にいた彼の親友でトルコ人のGが自分を指さして「私たちがいるから」と言ってギリシャ人と顔を見合せながら笑っていたのは面白かったです。

基本的に教養・精神的に成熟している人たちが多いこともあり、また学校の中においてマイノリティという感覚がないせいもあってか、国の歴史や国民性をネタにした冗談なども全くの日常になっています。フランス人は働かない、スイス人のドイツ語はドイツ語ではない、などから始まり、部屋を掃除しなくちゃいけないからフィリピン人の彼を呼ぼう、とか、ギリシャには同性愛者が多い、まで内容は様々(注:すべて悪気なし)。これは教授の講義などでもとても多く見られ、その度に笑いが起こります。アメリカの社会などでこんな発言をしていたら、差別、ハラスメントなどという理由で訴えられそうです。INSEADの外に出たら発言には気をつけないといけません。

こういう環境においては、もはや出身、年齢、経歴、宗教などは全く誰も気にしません。
日々の生活・態度に表れる人格だけが、その人の印象をつくりあげ、波長が友達の輪を築いていきます。
こんな環境に身を投じることができたこと、そしてその中で友達を作ることができたことはとても貴重な経験でした。

この記事へのトラックバックURL
http://trottolina.blog55.fc2.com/tb.php/78-872984c9
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
管理者にだけ表示を許可する